コーチのための「ポジショニング講座」-5つの競争と3つの戦略

近年になり、増え続ける「個人事業主」という職業。

数年後、コーチという職業は増え続け、同時にたくさんのコーチが市場に参入して、コーチングという市場は下火になると予想しています。

かつては先行者利益を享受できたコーチングという職業でしたが、今後は競争の渦に入ります。これはどこの業界にも必ずありうることです。

競争とは?

プロダクトライフサイクル

成熟期と衰退期の戦い方

マイケルポーターの進め

マイケルポーターの競争戦略論

マイケルポーターは、市場には5つの脅威とそれに対抗するための3つの戦略があると論じました。この記事では、この5つの脅威をコーチングに当てはめて考えてきましょう。

5つの脅威

同業他社の脅威

同業他社とは、競合のことです。もしもあなたがコーチなら、他のコーチもライバルになります。

参考になるのが、3C(自社:Company、顧客:Customer、競合:Competitor)のフレームです。

もしかしたら、あなたのコーチングは唯一無二のサービスなのかもしれません。そして、あなたにはあなたにしかない価値や強みがあると思います。

ですが、もしもクライアントの視点に立ったらどうでしょうか?

コーチという肩書を持ち、コーチングの市場に参加をした瞬間に、クライアントからは他のコーチと比較検討されるようになります。

おそらくあなたも何らかの商品を購入するとき、サービスを利用するときに、他社製品・サービスと比較検討していると思います。

それと同じ状態になります。

ライバルの規模やサービスの内容を分析することで、その規模感がつかめてきます。

新規参入の脅威

これはビジネスの参入障壁の高さを表す指標です。参入障壁が高ければ高いほど、その市場は安全な市場だといわれています。

企業と個人事業にも同じことが言えます。

高い 低い
会社 メーカー
銀行
インフラ
流通
外食産業
印刷・Web
個人事業主 弁護士・会計士・医者
技術職・エンジニア
その他、高プロ人材
アフィリエイター
コンサルタント
ホームページ制作

 

例えば、メーカー/製造業など形のある商品を販売している会社は、この参入障壁が高いといえます。莫大な資金を使って、工場を建て、製品を生産せねばならず、個人ができるレベルの事業ではありません。また、個人事業主の中でも、モノ造りに携わっている人は、一定の参入障壁が高い市場に身を置いているといえます。

では、コーチはどうか?かなり低いと考えられます。その根拠が、コーチングは以下のビジネスモデルに当てはまるからです。

小資本で始められる
在庫がない(あるいは少ない)
利益率が高い
毎月の定期収入が確保できる

これはホリエモンこと堀江貴文氏が提唱した儲かるビジネスモデルの条件です。そして、コーチングもこのビジネスモデルに該当します。多くの個人事業主がコーチング市場に参入すると考えられます。その結果、市場が飽和するともいくのです。

代替品の脅威

代替品とは、あるサービスと同じ機能を満たすサービスのことです。

かつてCD販売大手のタワレコは、i.tunesを筆頭とするデジタルコンテンツの煽りを受けるようになりました。車を欲しがる人はたくさんいますが、車を移動手段として考えるなら、バスや自転車でもよいわけです(そのほうが便利な場合もあります)

このようにあなたが提供しているサービスの代わりを満たすものはこの世にはたくさんあります。

では、コーチングの機能と代わりになるものは何か?についてカンタンに考えていきましょう。

機能 代替になりうる機能
傾聴 話を聴いてくれる カウンセラー
バーや飲み屋
友人/聴き上手な人
質問 よい気づきを与えてくれる 上司/先輩/メンター
先生/セミナー講師
書籍やインターネットコンテンツ
承認 自分を受け入れてくれる カウンセラー
友人/ほめ上手な人
提案 新しいことを教えてくれる
一緒に考えてくれる
コンサルタント
上司/先輩/メンター
関係
秘密保持
自分とのやり取りを内緒にしてくれる カウンセラー
セルフコーチング

 

このようにクライアントがコーチに求める機能は、コーチング意外でも満たせてしまうということです。

例えば、話を聴いてもらいカタルシスを得たければ、カウンセラーに相談するのがいちばんです。人によっては、話を聴いてもらえて、お酒を飲めていい気分になれるのなら、夜のお店に行くかもしれません。

また、クライアントが何かを知ったり、特定の技術を体得したい場合は、コンサルタントに相談をするかもしれません。

そして、そのコンサルタントがコーチングの技術を持っていれば、コーチングしかできない人よりも優位に立てます。

コーチングのスタンスは、クライアントが自発的に考え、行動できるように気づきを与える、が基本かもしれませんが、そこにサービスの狭さという弱点もあるわけです。

代替品を知るときのポイントは、なぜコーチングじゃないとダメか?なぜ自分のサービスじゃないとダメか?を考え抜くことです。これが結構大変です。

買い手との交渉

買い手…つまり、あなたのサービスを利用するお客さんです。お客さんに高い価値を与えれば、ビジネスは成立するといわれています。

それでも、これまでの3つの脅威を見て気づいたように、競合、新手、代替品と様々な選択肢がお客さんにはあるため、お客さんはサービスを選び放題なのです。

例えば、あなたが「私のコーチングは1時間1万円」といっても、お客さんからしてみれば、「Aさんは同じサービスを5000円でしてくれるよ」「Bさんは、3000円でしてくれるよ」といってきたら太刀打ちできません。

「いや、私のサービスは他とは違って、、、」といいたくなるかもしれませんが、その優位性と価格妥当性がキチンと伝わらなければ、お客さんは他のサービスに申し込みます。

そうなってくると、自分のサービスの価値をキチンと伝えることと、それに見合う技術向上や自己投資が求められるわけですが、最後の脅威に直面します。

売り手との交渉です。

売り手との交渉

売り手とは買い手とは逆の存在です。つまり、あなたがお金を払う相手のことです。

コーチであれば、以下の人たちは売り手に該当します

  • コーチングスクール
  • 先生/師匠/メンター
  • 書籍、情報、講座
  • 場所/空間

などあなたがサービスを行うためにお金を払っているとすれば、全てが売り手になるのです。そして、サービスレベルを向上させるためには、やはりどこかでお金を使う必要がでてきます。そして、必然的にこの売り手との交渉にもなります。

ファイブフォースのまとめ

強い売り手になること

3つの戦略

 

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