目標達成と自己実現の違い

「目標を達成したい」
「なりたい自分になりたい」
「理想の自分に近づきたい」

そんな思いからセミナーに参加をしたり、コーチングのサービスを利用してみようと思う方は多いのではないでしょうか?私もそのひとりでした。

「目標を達成したい。けれど、どうしたらいいかわからない」・・・そんな思いからモヤモヤした日々を過ごしている方は多いのではないでしょうか?意外と、コーチ自身も、クライアントには目標達成を論じておいて、目標達成が苦手な人が多かったりします。

その理由が、目標達成の意味について自分の言葉でキチンと説明できる人が少ないからだと考えました。それなので、この記事では、目標達成と似ているようで異なる「自己実現」という言葉を使って、この2つの違いについて解説をしていきます。

【言葉の意味】目標達成とは?自己実現とは?

目標達成とは?

欲しかった結果を手にすること、目指していたことを実現することですかね。

Weblio辞書をそのまま引用します。

目的としていたものを入手すること、目指していた物事を実現すること、あるいは実現したことなどを意味する表現。

Weblio辞書

なりたい自分を設定して、そこから逆算して進んでいくようなイメージです。

いくつか例を出してみます。

<目標達成の例>

  • テストで100点を取る
  • 〇〇大学に合格をする
  • アルバイトで月〇万円稼ぐ
  • 〇〇人の新入生を勧誘する
  • 〇〇社から内定をもらう
  • 仕事で〇〇ができるようになる
  • 売上数字を〇〇円を目指す
  • [期間]までに〇〇系の仕事に転職をする
  • お給料UP〇〇円を目指す
  • [期間]までに恋人を作る/結婚する
  • 〇〇歳になるまでマイホームを購入する
  • 〇〇歳になるまで貯金を〇〇円ためておく

達成したいこと-期限、内容、程度-が具体的であることです。目標によっては、期限や程度、達成率を含んだものが目標だと論じる人もいます。また、この目標を事前に設定して、それを達成するための方法-手段-や具体的な計画まで設定するのが一般的です。

自己実現とは?

ありたい自分になっていく・近づくということです。

デジタル大辞泉が参考になるで引用します。

《self-realization》自己が本来もっている真の絶対的な自我を完全に実現すること。普遍的、絶対的自我の実現が究極の目的であり、それに導く行為が正しい行為だとする、T=H=グリーンやブラッドリーなどの倫理説。グリーンは、これが人生の究極目的であるとした。自我実現。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

目標がなりたい自分になることなら、自己実現は「ありたい自分に近づいていく」と考えるとわかりやすいですね。

<自己実現の例>

  • 戦争や争いをなくしたい
  • みんなから感謝される人になりたい
  • 尊敬される人になりたい
  • 好きなことを仕事にしたい
  • 快適な毎日を過ごしたい
  • お金のストレスをなくしたい
  • 毎日ワクワクしていたい
  • 家族や友人から頼られたい

目標達成に比べて、自己実現は内省的で、定性的で、非現実的で、理想的です。そして、言葉で表現することが物凄く難しいです。本人すら気づいていない場合がほとんどです。というのも、自己実現は目標達成のひとつ上の次元に存在しているからです。

学説を2つ紹介します。

目標設定と自己実現理論

マズローの5段階欲求説

心理学者エイブラハム・マズローは、人間には5つの欲求があり、ひとつの欲求を満たしたら、その上の欲求へ上ると論じました。頂点にあるのが自己実現欲求です。

全ての欠乏欲求-生理的欲求、安全欲求、帰属の欲求、承認の欲求-を満たして、最後に到達するのが、この自己実現欲求だと論じました。

欠乏欲求とは?

マイナスを満たす欲求です。例えば、「お腹がすいたから、ご飯が食べたい」という欲求ですね。お腹いっぱいになるまでご飯が食べられれば、その瞬間は満足します。そして、次の欠乏欲求を見つけて、それを満たそうとします。

  • 来月までに10万円を用意しないと家賃が払えない
  • 〇〇歳までに結婚しないと今期を逃してしまう
  • 早く仕事で結果を出さないと望んでいる地位に就けない

欠乏欲求を満たしているときは、目の前にあるものを追うことに意識が向いてしまい、自分が本当に何をしたいのか?について考える精神的余裕がありません。

存在欲求

自分らしくありたいと願う欲求です。対して、存在欲求は、お金や人間関係、承認の欲求が介入する余地はありません。「自分がどうありたいか」を基準に考えて前に進める状態です。

 

マスタリー目標とパフォーマンス目標

教育心理学者Carole Ames and Jennifer Archer氏の個人が目標を達成するためのモチベーションの動機が大きく2つに分かれるというレポートを見つけたので、紹介します。

Achievement Goals in the Classroom: Students’ Learning Strategies and Motivation Processesの記事で興味深いものがあったのでご紹介します。

目標達成にも2つの目標があります。

  • パフォーマンス目標(競争的達成動機)
  • マスタリー目標(自己充実的達成動機)

前者は目標達成がしやすく、後者が目標達成こそ苦手ですが、自己実現に近づきやすいタイプだといえるでしょう。

 

 

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